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青空文庫 〜明日の本棚〜
Blue Sky Collection -- future library -- |
No. |
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著者名 |
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黒島伝治 |
書籍名 |
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「紋」 |
底本 |
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「黒島傳治全集 第一巻」筑摩書房
1970(昭和45年)年4月30日 第1刷発行 |
底本の親本 |
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入力者名 |
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大野裕 |
校正者名 |
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富田倫生 |
作品について:飼い猫の「紋」が地主の家の鶏の雛を食べてしまい、老夫婦は村人たちから冷たく扱われるようになる。「紋」は、捨てても捨てても、帰ってきてしまう。過剰なまで
に罪を糾弾する社会の冷酷さと、物言わぬ猫と心を通わせるおりくの暖かさの対比を美しく描いている。
1925(大正14)年、高須梅渓編集の個人雑誌『東方の星』に発表されたが、生前、短編集等に収録されることはなかった。1970(昭和45)年刊行の『黒島傳治全集』の解説には、福田久賀男によって発見され、収録したとある。(大野 裕)
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著者について:1898(明治31)年12月12日、香川県小豆島の貧しい農家に生まれる。1917(大正6)年、文学を志し上京、1919(大正8)年に早稲田大学予科に入学するが、徴兵を受け、シベリアに派兵。胸を患い、帰国。『文芸戦線』同人となり農民小説、反戦小説を執筆。代表作は、シベリア出兵を題材にした『渦巻ける烏の群』、済南事件に取材した『武装せる市街』など。1943(昭和18)年10月17日、郷里小豆島で病死。(大野 裕)
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