青空文庫 原民喜プロジェクト
2002.8.6 公開
2003.5.20 最終更新
半世紀後の原民喜
原民喜が世を去ってから半世紀、また今年も、暑い8月がめぐってきました。
入力者のジェラスガイさんから、原民喜作品の入力希望をいただいたのが、まだ二十世紀だった1999年秋のこと。その頃には、当分先のことのように思えたけれど、年月がすぎていくのは、あっという間。著作権が消滅して早々の2002年1月初旬に、待ちかねたように、入力済ファイルがまとめて届きました。
原民喜の著作権消滅後、初めてめぐりくる8月6日に、ぜひ、これらの作品を公開したい。
広島に住む者のそんな願いが、実現に向かって走り出したのは、2002年6月のこと。願いが通じたかのように、大野晋さんからいただいたメールをきっかけに、大野さんを発起人として、青空文庫メーリングリストで、原民喜プロジェクトがスタートしました。
幸いにも、多くの協力者を得ることができ、短期間に校正が完了して、没後半世紀を経た2002年8月6日の公開へとつながっていったのです。
プロジェクトには、カナダからもご協力いただき、底本のスキャン画像が飛び交ったり、コピーが海を越えたりと、インターネット時代ならではの校正風景が展開されました。
自分の作品がインターネットで公開されるなんて、半世紀前の原民喜には、予想もつかなかったことでしょう。
あらためて、ネットの醍醐味を感じます。
原民喜プロジェクトは、その後も、新規着手作品を加えて、さらにパワーアップ中。
これからも、プロジェクトの成果にご期待ください。
※2003年5月20日、翻訳作品『ガリバー旅行記』を、公開中の作品に加えました。
※2002年10月14日、プロジェクト全作品が青空文庫本体に登録されたため、プロジェクト作品および既公開作品のリンク先を、仮公開中の新館の図書カードに変更しました。
原民喜プロジェクト公開作品
底本:「日本の原爆文学1 原民喜」
出版社:ほるぷ出版
発行年月日:1983(昭和58)年8月1日初版第1刷
入力者:ジェラスガイ
底本:「夏の花・心願の国」新潮文庫、新潮社
1973(昭和48)年7月30日初版発行
1999(平成11)年5月25日38刷
入力:tatsuki
底本:「定本 原民喜全集III」、青土社
1978(昭和53)年11月20日 印刷
1978(昭和53)年11月30日 発行
入力:砂場清隆
底本:「ガリバー旅行記」、講談社文芸文庫、講談社
1995(平成7)年6月10日 第1刷発行
入力:kompass
青空文庫 原民喜関連既公開作品
作業進行中の作品
作品名 | 入力者 | 進行状態 | 校正者 | 底本 |
夏の花 | 砂場清隆 | 校正待ち | | 新潮文庫 |
書簡集一―家族・親族宛 | 砂場清隆 | 校正待ち | | 「定本 原民喜全集III」、青土社 |
潮干狩 | 海老根勲 | 校正待ち | | 「定本 原民喜全集I」、青土社 |
雲雀病院 | 海老根勲 | 校正待ち | | 「定本 原民喜全集I」、青土社 |
リンク
青空文庫 新館
広島に文学館を! 市民の会
2002年8月の水牛(原民喜プロジェクトご紹介)
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