文学作品に現れたJIS X 0208にない文字


1999年2月28日 作成 1999年3月30日 修正

これは、普段私たちが使っているJIS漢字コード(JIS X 0208)にない文字を集めたリストです。

青空文庫を開き、古典的な作品の入力をはじめると、JIS漢字コードにない文字に、しばしば出くわすようになりました。
たくさんの人が読んできた文章の中の、どんな文字が表せないのか、一目で明らかにできれば、現在の漢字コードの問題点を見きわめるうえでも、より良いものに変えていくためにも、役に立つだろう。そう考えて、リストのまとめに取りかかりました。

1999年度中の制定を目指して、JIS漢字コードを拡張する計画が進んでいます。(くわしくは、関連のページをご覧ください。)どんな文字を加えるか、原案が示され、広く意見が求められました。
この機会に、青空文庫としての要望をまとめたいと考え、1999年2月末の締め切りにあわせて、作業を進めました。先日、規格作りに取り組んでいる委員会に、意見書と資料を提出することができました。

これで一つの山は越しましたが、青空文庫の活動は続きます。
私たちはこれからも、リストを更新していこうと思います。(更新の履歴をここに、最新の意見書をここに示します。)
「この字は、JISにあるのだろうか」と迷ったとき、判断の目安として使えるような工夫も、加えていきたいと考えています。(リストの詳細に関しては、このページの下を参照してください。)

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画数をクリックすると、部首のリストが開きます。
部首をクリックすると、外字のリストが開きます。
(クリックできない部首に関しては、今のところ、該当する文字に突き当たっていません。)

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このリストの概要

・電子化された文学作品のファイルを作業対象として、JIS X 0208にない図形文字を探した。
・青空文庫に収録されている全ファイル(最新の更新日までに登録されたもの)と、CD-ROMにおさめて発行されている『明治の文豪』、『大正の文豪』、『新潮文庫の100冊』の収録作品をカバーした。

・この作業を通じて確認できたJIS X 0208にない文字を、部首番号順に配列したのが本リストである。

・部首が同一である場合は、画数の少ないものを先に置いた。部首番号、画数とも同じである場合は、第3第4水準原案の連番が小さいものを先に置いた。(要調査分はそれ以外のものと混ぜて配列せず、後に置いた。)原案にないものは、部首、画数を同じくするものの最後に置いた。部首、画数を同じくし、共に原案にないものは、『大漢和辞典』で与えられている番号の小さいものを先とし、ないものを後に置いた。それでも前後を決められない場合があれば、UCS、さらにJIS X 0212の区点番号を指標に、同様の処置をおこなうこととする。
・『新潮文庫の100冊』に収録された作品は、一部『明治の文豪』、『大正の文豪』に再録されている。これら重複分に関しては、『明治の文豪』、『大正の文豪』の収録作品としてリスト中では示した。

・リストではそれぞれの図形文字に対して、まず部首と画数、『大漢和辞典』で与えられた番号、UCSで与えられた区点番号、JIS X 0212で与えられた区点番号を示し、続いて第3第4水準原案に盛り込まれているか否かを添えた。加えて 一部の文字では、同定に関する注記を付した。(『大漢和辞典』、UCS、JIS X 0212で確認できなかったものは、それぞれ「なし」と表記した。)
・ただし現時点では、UCSの区点番号に関して未確認のものがある。(未確認のものは、「UCS」と表記している。)
・大きく示した該当の文字の下には、どのファイルのどの個所に現れるかを記載した。

・検索対象としたファイル中でJIS X 0208の外字として取り扱われているものは、0208の包摂規準に照らせば外字に当たらないものでも、すべてリストアップした。

・『大漢和辞典』(著者:諸橋轍次、発行者:鈴木敏夫、発行所:大修館書店)は、昭和59年4月20日から昭和61年2月20日にかけて発行された修訂版第一刷を用いた。ただし索引は、昭和61年9月1日発行の修訂版第七刷を使用した。
・『大字典』(編纂者:上田万年・栄田猛猪・岡田正之・飯田伝一・飯島忠夫、発行者:野間省一、発行所:講談社)は、昭和40年9月15日第一刷、昭和52年12月1日発行の第十八刷を用いた。
・『明治の文豪』(発行者:佐藤隆信、発行所:新潮社)は、1997年1月24日発行の初版(SAMPLE)を用いた。
・『大正の文豪』(発行者:佐藤隆信、発行所:新潮社)は、1997年7月18日発行の初版を用いた。
・『新潮文庫の100冊』(発行者:佐藤亮一、発行所:新潮社)は、1995年12月15日初版、1996年4月10日発行の第四版を用いた。

・本リストは、青空文庫を場として進められている、テキスト資産共有化の試みがあってはじめて生まれえた。青空文庫呼びかけ人一同は、この試みに加わっているすべての皆さんに、あらためて心からのお礼を申し上げる。
トヨタ財団は、青空文庫が進める「インターネット電子図書館システムの提案 ―テキスト共用のための問題点の抽出と解決策の提示―」と題した研究活動を、1998年11月より2年間助成すると決めてくれた。この支援がなければ、我々は本リストの作成にとりかかることはできなかった。

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