青空文庫 明日のそらもよう



2001年9月6日
青空文庫にある本は、実は「読むための本」だけではない。電子テキストを作成する際の、基礎資料の類も、少しずつまとめてきている。青空文庫の隠れたベストセラー「新JIS漢字総合索引」が、その代表格と言える。
いつも手元に置いて、紙の本なら端がめくれてくるほど使っていると、「ここが不便」「ここをこうすれば、さらに使い勝手が良くなる」という点にも、いろいろと気づいてくる。そんなときに気軽に改訂できるのが、電子本ならではのフットワークだ。
今回は、「包摂」に関する情報を盛り込んで、「新JIS漢字総合索引」の最新版をお届けする。改訂に至る詳しい事情は、本家そらもようをごらんいただくことにして、実物は、いつものとおり「青空文庫『明日の硯箱』」に置いてある。パワーアップして、いちだんと便利になった「新JIS漢字総合索引」、ぜひともダウンロードしてお使いいただきたい。電子本の宿命として、まあたらしいインクのにおいや、きっちりと端が揃っているすがすがしさをお届けできないのは、まことに残念ではあるけれど。(LC)


2001年8月15日
黒島伝治『武装せる市街』を登録する。
日本が過去にしてきたことが、いろいろなところで話題にのぼる。日本の過去を振り返り、考えてみようとするとき、文学作品をひもといて同時代を生きてみるというのも、ひとつの方法だろう。ある時代の日本の姿が、ここにも生々しく描かれている。
入力は大野裕さん、校正は原田頌子さんです。(LC)


2001年7月4日
幸田露伴『雲のいろいろ』を登録する。
二十一世紀になってから、諸々の事情で更新が滞っていたけれど、梅雨明けを前に、地田尚さんから、二十一世紀の第一作にふさわしいテキストを提供していただいた。
露伴のあつめた「雲のコレクション」を読みながら空を見上げれば、日本の空には、なんとさまざまな名前を持つ雲が浮かんでいることか。ふと見上げた空に浮かぶ雲を、飽かず眺めて過ごす心のゆとりも、ぜひとも忘れずにいたいものだ。
入力は地田尚さん、校正は今井忠夫さんです。(LC)


2001年5月9日
テキストの電子化をすすめていると、「漢字の入力」の問題に突き当たる。まずは、入力したい文字が、JIS漢字にあるのかないのか。外字にすべきかどうか。JIS漢字にあるとしたら、第1第2の範囲内なのか、あるいは、新JISで新たに追加された第3第4水準なのか。
そんな事情を背景に、JIS第1〜第4水準までに含まれる漢字を簡単に検索できることを目的として、「新JIS漢字総合索引」を作成したのが、約半年前だ。
しかし、使っているうちに、「目的の漢字が第1、第2水準なのか、第3、第4水準なのか、この索引だけではわからない」ということが、不便に感じられるようになってきた。さらに、文字コードも同時にわかれば、もっと便利に使えるようになる。
そんな思いを反映して、面区点番号付きのバージョンを用意した。従来どおりのバージョンと共に、「青空文庫『明日の硯箱』」に置いてある。

面句点番号付きのバージョン作成の作業をすすめる過程で、従来のバージョンに細かいミスが2箇所あることに気づいた。実用上、大きな問題はないけれど、この機会にダウンロードしなおしていただけるとありがたい。

新しい「新JIS漢字総合索引」の作成にあたって、スクリプトの作成などの面で、多くの人にお世話になりました。この場を借りて、厚くお礼を申し上げます。(LC)


2000年の「明日のそらもよう」へ
明日の本棚 トップページへ
青空文庫トップページへ