新形式のHTMLファイルについて
青空文庫
2002年5月6日作成
2002年5月から採用したHTMLファイルは、従来のものに比べ、いくつか新しい文法などを取り入れています。
主な変更点は、次のとおりです。
- ルビやその他のタグ形式を、 W3C ( World Wide Web Consortium ) 勧告 XHTML1.1 対応としました。
(一部、旧形式に採用していたT-Time独自形式のタグも残しています。)
- 表示幅、行間などを定義するスタイルシートを採用しました。
- 本文内に出現する外字のうち、JIS X 0213 に含まれるものは、原則、画像として本文中に埋め込みました。
ただし、「くの字点」など、一部、画像化していないものもあります。
(「外字」とは、JIS X 0208 に含まれず、包摂規準も適用されない文字を指しています。)
- 外字の画像フォーマットに、PNG形式を採用しました。
新しく取り入れた形式のHTMLファイルを、最適なウェブブラウザで開くと、次のような効果が得られます。
- 上下左右、行間のマージンが設定される
- ルビ付きの作品の場合、ルビが表示される
- 外字画像入りの作品の場合、外字画像サイズが、文字サイズに連動する
これらの変更を取り入れた結果、ブラウザによって、見え方がかなり異なっています。
確認できている範囲での、WindowsおよびMacintoshの各ブラウザの状況を、表にまとめてみました。
→Windowsの状況
→Macintoshの状況
(この表は、新規の情報を入手した時点で、随時更新する可能性があります。)
※鈴木厚司さんによるMacで読書のページに、Macintosh版のブラウザに関する情報が掲載されています。
表示に関する、具体的な見え方の差は、次のとおりです。
1. PNG形式の画像の表示
ブラウザのバージョンによっては、PNG形式の画像が表示されない場合があります。
これは、PNG形式が、比較的新しい画像形式で、ここ数年の間で本格的に普及しはじめたため、各ブラウザの対応も、最近になって進んできたという事情によるものです。
2.スタイルシートの解釈、ルビの表示など
ブラウザの種類やバージョンにより、スタイルシートの解釈が異なります。このため、お使いのブラウザによっては、表示が乱れる場合があります。
できる限り、影響範囲が少なくなるように配慮していますが、スタイルシートに関しては、全ブラウザに適用できる共通の解が存在しません。
新しいバージョンのブラウザは、スタイルシートに比較的適合している場合が多いようです。
もし、新しいバージョンのブラウザ導入が難しい場合は、スタイルシートを解除してご覧いただけますよう、お願いいたします。
W3C標準のルビタグは、比較的新しい仕様であるため、2002年5月現在では、未対応のブラウザが多い状況です。
※スタイルシート使用時、表示が乱れる現象として、次のようなものが確認されています。
- 行が重なって見える
- 画像が表示されている場合、画像の後で改行される
- 画像が表示されていない場合、画像のalt記述が、前の行に重なって見える
※スタイルシートの解除法
- Macintosh版 Internet Explorer 3.01:編集>初期設定>Webコンテンツ>「スタイルシートの表示」に付いているチェックを外す。
- Windows版 Internet Explorer 3.02:表示>詳細設定>「スタイルシートの使用」に付いているチェックを外す。
- Netscape Communicator(Windows版、Macintosh版とも):編集>設定>詳細>「スタイルシートを有効にする」のチェックを外す。
3.XHTMLへの対応
古いバージョンのブラウザでは、XHTMLが正しく表示されない場合があります。
これは、XMLおよびXHTMLが、比較的新しい技術であるため、各ブラウザの対応も、最近になって進んできたという事情によるものです。
※XHTMLが正しく表示されない現象として、次のようなものが確認されています。
- 1行目のXML宣言<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS"?>が、ブラウザにそのまま表示される
- XHTMLのソースがそのまま表示される
- ローカルで開くとxml解析エラーとなり、ページが表示できない
●PNG形式とは
PNG形式とは、GIFの後継として開発され、W3C ( World Wide Web Consortium : WWWで使用されるさまざまな技術の標準化推進を目的とした活動を行う国際団体 ) により、世界標準として推奨されている画像ファイル形式です。
GIFには特許関連の問題があり、自由な利用が次第に制限されてきているため、それに変わるものとして、GIFからPNGへの置き換えが急速に広まってきています。2002年4月時点で、多くのサイトがGIFからPNGへの移行をすすめており、GIFよりもPNGのほうが表現力に勝るというメリットもあって、この傾向は今後ますます加速していくものと思われます。
インターネットで、GIFと並んで多く利用されている画像ファイル形式に、JPEGがあります。JPEGは、デジタルカメラで撮影した写真に代表されるように、フルカラーで微妙なトーンを持つ画像を表現するのに向いた形式です。それに比べ、GIFは、ロゴなどの、色数が少なく、塗りつぶし面が多い画像を表現するのに向いています。青空文庫の外字画像も、GIFに向いているとされるタイプにあてはまります。
一般的に、GIFとJPEGは、このような特徴にもとづき、使い分けがなされてきました。GIFの後継であるPNGについても、これらの特徴は、そのまま踏襲されます。画像形式の特徴を活かしたJPEGとPNGとの使い分けは、今後、より明確化し、定着していくものと思われます。
そういったさまざまな要素をふまえて、青空文庫では、PNGを新形式HTMLファイルでの画像の標準として採用しました。
Microsoft ( Internet Explorer開発元 ) のサイト
Netscape ( Netscape Communicator開発元 ) のサイト
このページに関する不明点などがありましたら、info@aozora.gr.jpまで。
ブラウザの動作確認情報は、みずたまりへの書き込みをお願いします。
UNIX系など、ここにある以外のブラウザに関する情報もお寄せいただければ幸いです。